[和太鼓の音の話・2]

最終更新: 2019年9月3日

 こちらは秋田県羽後町に伝わる"西馬音内盆踊り"の音楽です.


 https://www.youtube.com/watch?v=ku8adEOc7Rg 


 有名な盆踊りですが、この曲を聞いてどう感じますか?気持ち良い?悪い?


 俺は気持ち悪いです。特に唄。笛や三味線の音程と全然関係ない所で唄ってます。唄自体の音程も、あまり厳格で無いように聞こえます。

 篠笛も複数で演奏してますが、それぞれのピッチが適当なので全体的にルーズな響きです。我らが京都・祇園祭の笛もそんなルーズさがあります。


 もちろん、これは俺が西洋の音楽脳に染まってるから感じる感想です。


 でも気持ち悪さと同時に、現世とあの世の境目を漂っているような、なんだか怪しい美しさを感じる事もできます。説明しきれない美しさというか、曖昧なのに深く想像力を掻き立てるような美しさが、日本の伝統音楽には散見されます。


 昔の日本人は、この音楽をどう感じていたんでしょうか。やっぱり気持ち悪かったんですかね。これはお盆のお祭りでの音楽なので、霊的なものを呼び寄せるために、あえて不思議な曲にした可能性もゼロじゃありません。


 けど多分、単純に気にしてなかったんだと思います。

 

 あくまで西洋との比較ですが、音程に関して日本人はそれほど神経質に考えない民族だったと思います(音程については西洋の発展の仕方が異常で偏執的だったという見方もあります)。自然の発する音に親しむ民族だったようだし、許容できる音の幅が広かったんじゃないかと思います。


 そういう日本人が作った和太鼓ですから、その音程はやはり曖昧です。色々な音程が混じった複雑な音がします。動物の革なので、素材の個体差に左右される所もあるでしょう。


 でもバチ・ホリックで演奏したい音楽とは和太鼓を使った、現代人が気持ち悪くない音楽です。だから歌・笛・三味線の音程と、和太鼓の音程はマッチングして欲しいのです。


 そんなわけで、バチ・ホリックではREMO社の和太鼓を使ってます。REMOは、ドラムヘッド(太鼓の革に相当する部分)の世界No.1メーカーです。

 REMOの和太鼓の特徴はチューニング可能な点です(伝統的な和太鼓は革を鋲止めしているので職人じゃないと伸張できない)。革も牛革でなく人工革で、個体差が少なくなっています。さらに気候(主に湿度)によるコンディション変化も少ないです。


 そうやって、自前で調律しやすい楽器を選ぶ事で、和太鼓の音色がメロディやハーモニーと馴染むよう工夫しています。目的にふさわしい楽器を選ぶことが、音づくりの第一歩だという事です。


 なんかREMO社の宣伝みたいな文章になってしまったので、REMO社から感謝の印に楽器提供してもらいたいです。そして普通に業界の話になってしまって、和太鼓に興味ない人にはごめんなさいって感じです。


つづく